ガレージ探訪

辿り着いたのは、3台の“本物”

福島県/M邸

国産・輸入車を問わず、数々のハイエンドカーを乗り継いできたオーナー。
速さ、快適性、ブランド、希少性・・・。あらゆる要素を体験した末に、いまガレージに収まっているのは、誰もが心惹かれる3台です。
ラインナップは、初代V12を積むアストンマーティン・ヴァンキッシュ、そしてポルシェ911 GT3、ポルシェ911 スポーツクラシック。
世界限定1,250台のヘリテージデザインを含む、いずれも特別な存在です。
「ここは3台しか入らないから、3台だけ。でも“置くため”じゃない。乗ってこそクルマだからね」。

ポルシェという“到達点”

さまざまな高性能車を経験したうえで、やはり別格だと語るのがポルシェの乗り味。
ステアリングを切った瞬間の応答、路面を正確に捉えるフロントの感覚、アクセルに対するリニアな反応。
特に992型GT3は、サーキット由来のシャシーと自然吸気エンジンが生み出す高回転フィールが圧巻。一方でスポーツクラシックは、ターボボディにマニュアルトランスミッションを組み合わせた現代的ネオクラシック。速さだけではない“味”がある。
「いろんなクルマに乗ってきたけど、結局ポルシェが一番しっくりくる。精度が違うんだよね」。それはスペック表では測れない、ドライバーとの対話の濃さ。
走らせるたびに再確認する完成度が、最終的にここへ辿り着かせたのでしょう。

ヴァンキッシュという選択

対して、ヴァンキッシュはまったく別の魅力を持ちます。
長いノーズにV12を収め、英国的な気品をまとったグランドツアラー。
「これは紳士が乗るクルマだよね」。荒々しさよりも余裕。速度よりも雰囲気。

アクセルを踏み込めば十分に速い。しかしそれ以上に、静かに流す時間が似合う。ポルシェとは対極にある世界観が、このガレージに奥行きを与えています。

“保存”ではなく“維持して楽しむ”

「ここは車庫程度から始めたので、ガレージと呼ぶにはほど遠いです」と謙遜されるが、ガレージ内の温度管理を徹底し、愛車にとって常にパーフェクトな状態を保つ設計になっている。
とはいえ、ショールームのように飾ることが目的ではありません。
「維持して、乗って、楽しむ。そのための空間」。
コレクションのバイクは上へ上げ、クルマだけの機能性を優先した作りになっている。

静かに保管しながら、いつでも走り出せる状態をキープする。そこにこのガレージの思想があります。

20年越しのバイクコレクション

さらに視線を上げると、そこには20年かけて集めたバイクたち。
友人から譲り受けた個体、中古車をレストアしたもの、そして一部は新車で購入したもの。
なかでも希少なのが、1960年代のカフェレーサースタイルをモチーフにしたホンダ・ドリーム50。50ccとは思えない本格的な佇まいを持つ一台です。
そしてイタリアの名門MVアグスタも鎮座。“走る宝石”と称され、芸術品のような造形美を誇ります。
「最初は少し乗ったけどね・・・、あれはもう自殺行為(笑)。取り回しも大変だし」。
現在はコレクションとしての意味合いが強いものの、機械としての魅力に惹かれた気持ちは変わりません。

20年前には5万〜10万円で手に入った車両が、今では30万〜40万円以上に高騰。時代の流れとともに価値も変化しています。

走り続けた先に見えた、本当に好きなもの

多くを経験したからこそ、残ったのは“本当に好きな3台”。
ポルシェの精密な走りと唯一無二の味わい。ヴァンキッシュの気品。そして長年集めたバイクたち。
このガレージのコンセプトを一言で表すなら「完璧な状態で維持し、最高の瞬間に走らせるための場所」。
飾るためではない。
守るためでもない。走らせるために、ここにある。

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